第2回 BCP/BCM勉強会【大阪】

BCPにあわせたバックアップ/リカバリの実装

日時 2013年04月19日(金)14:00~18:00
会場 大阪丸紅ビルB1F C会議室
住所 大阪市中央区本町2-5-7 >地図
TEL 03-5275-6124
会費 無料
定員 20名
参加資格 企業のシステムご担当者様 及び ご関係者様
※定員になり次第締め切りとさせていただきます
※応募者多数の場合は、システム管理者様を優先とさせていただきます
※第三部ご参加の方は別途2000円いただきます。
テーマ BCPにあわせたバックアップ/リカバリの実装
~企業の実態から「現状」と「あるべき姿」を探る~
講師

TIS株式会社
IT基盤サービス本部 IT基盤サービス事業推進部
荻原 信一 氏

講師紹介

事業継続計画策定コンサルタントとして、お客様企業のBCP策定・運用の支援に携わっている。「事業継続はリスクありきではない。事業継続は経営課題であり最適化された通常業務こそが最もリスクに強く、企業価値を向上させる」が主張。

内容
第一部

ご講演(14:00~15:00)
BCPを検討していく上で、バックアップ/リカバリは重要なテーマとなります。
しかしながら、BCPに沿ったバックアップ/リカバリの「あるべき姿」を実現することは非常に難しく「どこまでやればいいのか」「何から手をつけていいのか」「おサイフの口が・・・」という壁にぶつかっていたり、「リカバリのテストをしようと思ったらテープが劣化していて出来なかった」というような、何らかの問題を抱えているのが実態です。
第一部では、企業の取り組みの事例をもとに、なぜバックアップ/リカバリに対する取り組みが進まないのか、どのように進めていけばよいのかを参加者の皆様とともに考察していきます。

第二部

お悩み相談&ディスカッション(15:10~16:45)
「どこまでやればいいのか」「何から手をつけていいのか」「おサイフの口が・・・」という壁をどのように突破していくのか、一緒に考えていきましょう。

第三部 BCP/BCM対策における運用と課題の共有(17:00~18:00)
※ディスカッション形式による情報の共有と対策の模索
※懇親会形式によるフリートークです。
※情報システム管理者同士のネットワーク作りや情報収集の場としてご活用ください。

講師感想

TIS株式会社
IT基盤サービス本部 IT基盤サービス事業推進部
荻原 信一 氏

座長から「直球は投げるな」と厳命されておりましたので、通常とは違う観点からの課題の発見と共有を目的としてワークショップ形式で進めさせていただきました。
それぞれのグループで「それは何故?」など突っ込んだ質問の声が飛び交い、業種による特徴や共通の課題があることの発見や共有が積極的に行われており、司会の方が時計をチラチラ見ながら制止するくらいに皆様に盛り上げていただき私自身も参加者の一人としてとても楽しい時間を共有させていただきました。
参加者の皆様、幹事の皆様に御礼申し上げます。ありがとうございました。
また、勉強会の間、多くの方が熱心にメモを取っておられる姿を拝見して、BCP/BCM勉強会に臨む皆様の真剣さが伝わって参りました。私も私の立場から真剣に「強い企業」「強いニッポン」のためにお役立ちしていこうと心を新たにすることが出来ました(ちょっと大袈裟でしょうか)。

座長報告

TIS株式会社
IT基盤サービス本部 IT基盤サービス第1事業部 IT基盤サービス第2部 主査
中村 和弘 氏

今回も前回に引き続き変化球で攻めてみました。といっても、司会は田村副座長にやっていただきましたが・・・
第1部の講演では、事前アンケートの振り返りから入りました。災害等予期せぬ事態が発生したときのことについて、まずいないだとうと想定していた「自分は生き延びる自身がある」「会社に駆けつける強い意志がある」に数名の方が「はい」と回答されていました。このような方が居られる企業は安心かも知れませんね。
それに続いてよい事例として、考え方や具体的なバックアップシステムの構成などを紹介。悪い事例として「BCPという名の書物」は欲しいがBCPに金をかけたくない企業、決めることができない企業を紹介。これらの事例を通して世の中のBCPのバックアップに対する企業の取り組みの実態をわかっていただけたと思います。
第2部はいつものディスカッションではなく1グループ4人ほどでワークショップを行いました。ワークシートに参加者の皆さんが運用されているシステムを上げ、いくつかの質問に対して各システムへ点数をつけるという作業をやっていただきました。
ワークショップを通して、バックアップ計画においてどのように各システムの優先度、重要度を決定するかのプロセスとグループ内で意見交換をすることで、それぞれの企業や業種での考え方の違いや共通点があることを、皆さんで共有できたのではと思います。
このワークシートを埋めるための質問と点数配分は長年のコンサルの実績から導き出されたノウハウの塊で、本来有料のところ講師のはからいで簡易版ではあるけれども参加された方限定で、社内での上申に使っても可ということにしていただいています(ただし再販はしないでね・・・講師談)。
参加された皆さんからも「ワークショップが良かった」という意見を頂いています。今後も様々な手法にチャレンジすることで、よりよい勉強会にしていきたいと思います。

副座長報告

ナカバヤシ株式会社
管理本部 情報システム室 マネージャー
田村 茂之 氏

久し振りに、グループワークを行いました。
第一部から、今回の参加者からの事前アンケートへの考察という、新しい切り口から講演が始まりました。今回参加頂いた方には、少し変わったアンケートにお答えいただいたので、アンケートの解説のもと、豊富に持たれている事例のなかから代表的なものを紹介頂け、事情に分かりやすいものに成っていました。
第二部は講演も仕掛けになったグループワークを行いました。BCPにおけるバックアップとグループワークといった一見ミスマッチの様な組み合わせですが、質問に回答す形式での作業を行う中で、BCPへの取り組む姿勢から具体的なバックアップ対応に至るまで、自分たちが関わる業務システムを通じて身につまされて、考えさせられました。
普段、システムに対して自分たちがこうだろうと、主観的に抱いている重要性をベースにバックアップを作成していますが、ワークを通じて得た客観的な評価の仕方と生み出される結果に、思ってた通りだとにんまりするかたや、落胆、共感が渦巻き、活況のあるものに成っていました。事後のアンケートからも好評感があふれる回答を頂けうれしいものでした。
今回のワークを通じて皆さんには、システムの重要度・優先度とそれに対応するバックアップの考え方について理解と社内に戻ってから行動する際の論理的支柱ができたのではないでしょうか。
最後に、講演を頂いた荻原様に、素晴らしい講演とワークの実施をに対して、本来マル秘であるワークシートの質問を、プロジェクターに再表示させていただくといった司会者の暴挙に対する寛容な姿勢と併せて、感謝と謝辞を申し上げたく思います。

幹事長報告

「システム管理者の眠れない夜」(IDG / 技術評論社)著者

柳原 秀基 氏

バックアップの現状や必要性について企業で情報システムの運用を担当している方々にお聞きしますと、ほとんどの方が「当たり前です。やってます」とお答えになります。
「やってます」といっても、よくあるのはそれぞれのシステム構築を請け負ったSIerが、自社で取り扱っているソリューションの中からバックアップシステム(ソフト)を選択し、組み込んでいて、それをそのまま動かしているというものが大半です。請け負ったSIerの立場から見ると、予算の許す範囲で可能な限り自社製システムを守りたい!という考えで選択しているはずです。万が一、障害が起こった時に、復旧できませんでした、というわけにはいきませんから。そうしたバックアップが必要な情報システムは複数あるのが普通ですから、バックアップそのものも複数の仕組みが動いている、というのがよくある姿です。
この複数のバックアップシステムが稼動している状態を、情報システムを必要としている企業の立場から見ると「経営資源配分が適切に管理されていない」という判断になります。つまり、IT投資は企業全体で適正化されているべきなのに、そもそもそのためのマネジメントさえ行われていない野放し状態とも見ることができます。
IT投資に関して、どのような投資を行うべきを選択し、その成果を管理したり、優先順位付けをマネジメントする手法としては、IT投資プログラムマネジメントやITポートフォリオマネジメントなどが提案されていますので、本来はバックアップシステムの選定についても、そうした考え方が適用されるべきでしょう。
さらに、私たちは大事故や天災発生などの緊急時における事業継続計画(BCP)を検討しておく必要があるわけですが、そこでも予算を潤沢に使えるわけではないので、上記のIT投資に関するマネジメント手法は適用されるべきです。しかし「マネジメント」や「ポートフォリオ」というと、どうしても抽象的な言葉が並んでしまい、具体的にどこから手をつければ良いのか、迷ってしまいがちです。
今回の荻原信一氏による「BCPにあわせたバックアップ/リカバリの実装」というご講演は、こうした本来あるべき姿をバックアップの切り口からマネジメントする、具体的手法を紹介していただきました。ワークシートを使った実践的な演習も行われ、勉強会に参加した方々だけが、この手法を体験することができました。実際に参加者が集まって行われる勉強会ならではの成果が得られたものと確信しています。

参加者の声

  • 重要システムの判断基準が参考になった
  • システムの重要度の重み付けのワークショップが大変有益でありました。目が開いた感があります。
  • 様々な立場の方の意見がお聞きできて参考のなりました。

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