いい大人が酔った勢いで大学に行くもんじゃない(振り返ると怖い幸運な話)!!!

2022年2月15日

一昨年から、某大学のリカレントコースでサイバーセキュリティを学んでいます。
世の情シスを日々悩ませる、あの「セキュリティ」です。

正確には、昨年2月に一旦修了し、今年度は別のコースに在籍しているのですが、実に〇〇年ぶりの学生生活を送っています。

何故そうなったのか・・・実は、酔った勢い!

元々は、日本セキュリティ監査協会主催の机上演習に参加した際の教官からのお誘いで、インシデント対応机上演習(TTX)」という科目にサブファシリテータとして関わるだけの予定でした。せいぜい年間で数日のことだろうと思っていたのです。

(ちなみに、机上演習については、ちょうど一年前のコラム「システムが止まったその後どうするの?~思考訓練ノススメ」で紹介しています)。

ところが、2020年のある日、とあるセキュリティ関連のオンライン勉強会の後、退出しそびれたついでの缶チューハイ片手の雑談の最中に耳にしたのは、衝撃の一言「まだ募集してますよ、しかも無料。マネジメント系科目だけのコースもあるんで」。

コースを企画した某F先生の満面の笑みとツヤツヤした頬が誘っています。抗う意志と躊躇を90%無力化する脅威の笑顔です。思わず、手にしたチューハイを一気に飲み干してしまいました。その時点で、「私は出願するものだ」という認識が、その場に生まれたようです。

とはいうものの、出願締め切りまではあと数日。

あわてて必要な書類を揃え、伸びた髪をまとめて写真を撮り、無事投函・・・
これって、酔った勢いで出願したってこと?

こうして久しぶりの学生生活(@ほぼオンライン)が2020年の初秋に始まりました。

実際にスタートしてみると、日々セキュリティに携わる中で、関連する法律を網羅的に学んだ経験がないことにも気づき、業務に関わる法律を利害関係者ごとに整理する中で、抜けていた視点にも気づきました。
そもそも、企業主催のセミナー等にセキュリティ関連法を取り扱ったものが極めて少ないので、これは致し方ないことかもしれません。

数理経済学のグラフについていけず、「数式よりも感覚で」という励ましになんとか目をこらし、巨大プラットフォームが生まれた背景への興味は深まるばかり。
法律実務の科目では、講師と受講生の間で繰り広げられる高速チャット合戦に熱狂。必須科目でもないのに、最新の攻撃手法を学ぶ科目に手を出し、コマンドの実行前でPCから悲鳴が。
机上演習では直接受講生と話をすることもでき、他の先生方からの貴重な意見もいただき、演習シナリオは回を追うごとにリアリティを増しつつブラッシュアップ。セキュリティは技術と法と人の総合格闘技です。

初年度は、オンサイトでの受講は3回しか叶いませんでしたが、そんな中でも、様々な科目に劣らない学びをもたらしたのは、講義を離れたところで繰り広げられる他の受講生との果てしないやりとりでした。

時にはくだらない話をし、仕事での疑問を投げかけ、知恵を貸し借りし、お互いに学び合い・・
とにかく「サイバーセキュリティ」というものに色々な角度からぶつかって、浸った時間でした。

私自身は、2020年度のコースを終えた後、もう一年、コンプライアンスと危機管理について学ぶことを選び、今年度も籍を置いていますが・・
受講生の熱さは2020年度に負けず劣らず。修了生も参加できる講義では在籍年度を超えてチャットが飛び交います。

情シスの本音というテーマからは少し離れてしまいましたが、情シスとして迷った結果手を出したセキュリティ監査から出会った机上演習、そして机上演習が結んだ色々な縁があって、今があるのだと2度目の修了式を前に思いめぐらせています。

「いい大人が酔った勢いで大学に行くもんではない!」
そこに待っているのは、忘れていた必死さと個性豊かな同期生と、新しい視点。それを酔った勢いで手にしてしまった自分は、なんて幸運なんだと思う次第です。

<お断り>
本稿の内容は著者の個人的見解であり、所属企業及びその業務と関係するものではありません。

山田夕子(めがとん・きんぎょ) 社会医療法人愛仁会勤務
公認情報セキュリティ監査人補

「人見知りの勝手に情シス」から勢い余ってセキュリティ専門職へ。それだけでは終われず、教材開発に携わった縁もあって、ついには酔った勢いで大学のリカレントコースでセキュリティを学ぶことに。
自称「サイバーセキュリティ机上演習(TTX)専用フリー素材」。中世・ルネサンスの音楽と瀬戸内の桜鯛を愛する関西人。

©2022 PC・ネットワークの管理・活用を考える会