2020年9月02日
2020年9月02日
ベンチャーやスタートアップのような少人数規模の会社から従業員が増えてくると「初期のようなスピード感が鈍ったかな」「意思疎通が取れてないなぁ」と感じるような場面も出てくるかと思います。
そういったことの原因は、物事が複雑に積み重なり絡まり合ってしまい(仕様を)分解しないと進めない状態になっていることや、人数増加に伴って相対的に一人に対するミュニケーション時間が短くなってしまうことにあるのかな…と考えたりしています。
問題の解決策の1つは、メンバー間のコミュニケーションを増やす事だと思います。
コミュニケーションが増えれば、職場環境が良くなります。ではメンバー間のコミュニケーション量を増やすには、どのような施策が効果的なのでしょうか?
「職場の環境(オフィス設備などのハード面)」と「クラウドサービスのコミュニケーションツールの利用や人間関係(ソフト面)」の2面を強化していくのが良いと世間では言われていますし、私もその通りだと思います。
これらの施策を同時に取り掛かるのは時間と予算リソースの確保が難しいと思うので、相互に対応してスパイラルアップさせる方式が現実的なのかなと考えています。
弊社では、6月に一部の事業部を別の拠点に移転することが決まり、8月に移転が完了しました。
移転先も県内の拠点なので物理的な距離は近いものの、ネットや電話などの回線インフラの契約と設定、複合機などのOA機器の購入、配置などは非常にタイトなスケジュールの中で進めました。
スケジュールに余裕が無いと、単純に『今あるものをそのままに』という思考に陥りがちですが、私は大きなオフィス設備の変更はチャンスと捉え、少しでも良い方向へ構成を変えるよう取り組みました。
構成を考える際は、時間や人的リソース、予算の兼ね合いで、全体最適と部分最適を考慮しつつピースを当てはめていきます。
この時に一人で考えて(調べて)いると狭い範囲での施策になりがちなので、事業部責任者や現場メンバーと一緒に今後の事業部の方向性や今の課題などを話しながら進めていくことが非常に重要です。
今回の移転では、ビジネスフォンにおいてクラウドPBXを採用しました。機器の選定と設定などすべて事業部メンバーが行ったので、情シスとしてサポートは全くせずに導入出来ました。
このようにスタート段階から事業部で把握していると、運用中に問題が出た時も初期対応は事業部で確認する体制になる為、解決までのリードタイムが短くなります。
自分の経験から振り返ると、事業部責任者のシステムに対する知識レベルが高いほど、変更後も大きな混乱が起きずスムーズに移行が出来る確率が高いです。
インフラの全体構成、事業部が使用しているシステムの把握、運用フローの想像。事業部メンバーはすべて詳しく把握する必要は無いですが、概要を理解しているか否かで、情シスとしての関わる時間(エネルギー)が大きく変わります。
事業部メンバーの誰もがシステムに関して明るいわけでは無のいで、情シスの対応工数は大きくなりがちです。また、情シス部門のリソースは非常に少ないので、大きな案件ばかり抱えられません。
その対策として、弊社では各部署に「ミニ情シス」のような担当を配置しています。その担当者に部署内で起こる細かなシステム問題(PC対応等も含む)を任せつつ、徐々に自部門のシステム構成を把握してもらいます。このような体制で情シスメンバーと各事業部のメンバーが連携することで、知識レベルを全体で底上げしています。
私が気をつけている事は、各事業部のミニ情シスメンバーと「システムの事だけでなく普段からラフに話せる環境・関係性を創る」ことです。
これが非常に難しいのですが、とても重要なところだと思います。ベースの関係がないと業務の相談も出来ません。その上で、今後はどのような発展をさせていきたいのか、メンバーとありたい姿を共有すると関係性がさらに深まります。
情シスのメンバーが複数人居る場合は、情シス内のベクトル合わせが非常に大事だと考えています。根幹となる情シスのコアメンバーが熱くなければカイゼンは進みません。
年代の違いや前職などの経験などでそれぞれ価値観の違いがありますが、常に連携し共有しゴールを目指しながら、計画的に業務に取り組まねばなりません。
情シスのコアメンバーのリレーションシップが出来、次に各事業部メンバーとのリレーションシップを高めていくことで好循環が生まれます。
今回はメンバー間のコミュニケーションを活発にする、というソフト面を中心に書きましたが、話す機会を自然に促すという「ちょっと会議」の場所や「集まりやすい休憩所」を用意するのも有効な手段だと思います。
職場環境のハード面については総務寄りの業務となりますが、ソフト面ではコロナ禍で躍進しているコミュニケーションツールを選定・推進していくことが、情シスの役割として重要だと考えています。
「情シス」という呼び名は同じなれど、会社によって業務範囲やミッションは様々かと思います。
その中でも「社内のコミュニケーション量を増やす」ことは、どの企業でも共通のミッション且つ重要な事項かと考え、今回は自分の経験を紹介してみました。
皆さんのコミュニケーションの活性化について、ツールの使用状況や社内で工夫している運用などPCNWで共有してみたいですね。
<お断り>
本稿の内容は著者の個人的見解であり、所属企業及びその業務と関係するものではありません。
長内 裕紀 |
株式会社リバークレイン 組織統括本部 コーポレートエンジニアリンググループ |
バイク用品の通販サイトを運営する会社に入社。ECシステムの業務基幹システムの開発に関わった後、情報システム担当になりアカウント管理やPC整理、社内ワークフローシステムなどを構築。
最近は社内管理系システムの開発と共にHR領域のシステムを構築中。
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