2017年5月30日
2017年5月30日
はじめまして、私は大阪で運営委員をさせていただいております。
PCNWでコラムを掲載することが決まり、面白いからいいなと思っていたらすぐ自分に回ってきてしまいました。コラムを書くのは初めでで読みにくいかもしれませんが少しお付き合いください。
PCNWに興味を持つ方の中には、PC管理やその他諸々を一人でこなす一人情シスも多いかと思います。私も以前は同様の環境で500台程度のPCをほぼ一人で管理していました。現在は会社規模も大きくなり全て一人でとはいきませんが、「資産管理ツール」があったお陰で「少ない労力(一人ででも)」で確実にOA機器を把握できます。大企業であれば当たり前に運用されていますが中小企業ほど必要なツールだと思います。
私も以前(と言っても10年以上前ですが)はエクセルで「PC台帳」を作成し、それとは別で「ソフトウェアライセンス台帳」「リース台帳」等をバラバラに管理していました。
正直、自分で作っている台帳を完全に信頼できませんでした。たまに棚卸はしますが、日々の業務に追われ更新が遅れがちになり「その時点でだいたい合っている」と、妥協せざるを得なかったです。そもそも当時は一人(多い時で二人)なので、チェックすらまともに出来なかったです。
そんな日々の業務に追われ“妥協せざるを得ない”棚卸しでしたが、やはり一番怖いのは「知らない間にライセンス違反していないだろうか?」でした。
仕事柄CAD等高額なソフトが大量にあり、人の入れ替わりが多いのでソフトの入れ直しや移動が頻繁に起こります。ソフトの購入は申請ベースとは言いつつも申請書を後回しにしてしまったり、また、急に「インストールさせてくれ」と言われて緊急対応するともう訳が分からなくなってしまいます。正直なところ、管理を課員に任せて現実逃避していた時期もありました。
当時から資産管理ツールは採用していたのですが、当時のツールは台帳と連動するわけでもなくほとんどがリモートコントロール用の管理コンソールでした。しかし、最近では“当たり前”の「リモートコントロール」が当時は画期的でした。これだけでも採用の価値は大きかったです。
その後個人情報保護法が施行されたこともあり、セキュリティにも対応したツールへの移行が必須となったので現在の資産管理ツールへ移行をしました。
新資産管理ツールはデータベースが「SQL Server」のものを選択しました。
幸い私はシステム管理をする以前は業務でデータベースを使う機会がありましたので「エクセルをRDB(リレーショナルデータベース)へ」切り替えることにしました。
プログラミングは以前から興味があったので業務と勉強が兼ねられてでき、一石二鳥です。
最初はAccessの簡単なMDBから始めて、現在は資産管理ツールのSQL Serverと連携できるC/Sシステムになっています。備品管理データベース内に資産管理ツールから抽出したインベントリ情報(現在のIPやログイン情報)を表示させると、台帳の設置場所や使用者のチェックができます。また、資産管理ツールの機能の1つである、ソフトのインストール状況をソフト台帳と比較すれば台帳の更新漏れを簡単に見つけることができます。
各データは履歴を持つのでミスがあった時にさかのぼって調べることができます。エクセルだけでは絶対できなかったことです。
最近は資産管理ツールも進化し、ライセンス台帳もツール内でできるようになってきています。まだ手作業で管理されているのであれば、移行時の一時は苦しいですが採用を検討してみてはどうでしょう。
小規模ならクラウドサービスがお勧めです。
余談ですが、某ソフトメーカーの監査が入った時は、資産管理ツールと備品管理データベースのおかげで難なく監査をクリアできました。
<お断り>
本稿の内容は著者の個人的見解であり、所属企業及びその業務と関係するものではありません。
嶋口 真 |
株式会社URリンケージ 西日本支社 総務部 情報管理課 |
1964年2月生まれ。元々は土木技術者であり測量設計コンサルタントから現会社の前身に入社。電算室に配属されるも土木積算部門に異動になり、電算の事を忘れかけた頃また電算に戻る。10年前に勤怠管理システムをフルスクラッチで組んだ直後に顔面麻痺で倒れて半月休んだのは今となっては良い思い出です。
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