第二回 情報モラル・セキュリティ分科会 議事録

第二回(2003/2/20)情報モラル・セキュリティ分科会 議事録
アドバイザ: 日本セキュリティ・マネジメント学会理事 丸重裕子氏
座長: パイオニア株式会社 鶴田一男氏
講演内容: 「電子文書の取り扱い規程」
・鶴田座長より冒頭ご挨拶
自社における「機密文書管理規程」の状況、運営上の苦労、今後の展開について
ご案内頂いた。
・丸重氏より
 「ISMSにおける『電子文書取扱規程』の位置付け」について説明。
・ご参加者より
自己紹介とともに自社における「電子文書取扱規程」の策定状況につき発表
-「電子文書管理規定」はない、これから策定したいので勉強にきた
-「電子文書管理規定」を策定したものの、運用・実態が伴っていない
-ITインフラの変化が急速で、策定した「電子文書管理規定」のメンテナンスが追いつかないというのが大勢の意見であった。
全体ディスカッション
  クオリティ(株)社内で作成された「電子文書取扱細則」(全20条)を“叩き台“としてディカッションを進行した。
作成責任者として、クオリティ(株)飯島が参加者からの質疑 に応答した。
(実際の細則をベースにディスカッションを進めたため、質疑応答内容が多数のため、本議事録上では抜粋の形をとることをご容赦ください。)
以下、発表者→(発)、参加者→(参)、アドバイザ→(ア)と表記します。

(発) 電子文書取扱細則は文書取扱規程があるという前提のもとで作成した。
(今回のディスカッションに際しては、「文書取扱規程」と「電子文書取扱細則」が参加者に配布された。)
   
(参) 「電子文書の定義」が弱いのではないか?プログラムは?データは?
   
(参) 「見読性」とは?
  →(発)見たい時に見れるもの、誰もが見える様に用意されているもの。
総務省が定義している「見読性」に準拠すると考えている
   
(参) セキュリティの「機密性」、「完全性」、「可用性」にあてはめると、「機密性」は「機密性」であり、「完全性」は「原本性」にあたり、「見読性」とは「可用性」ということに成るのではないか。
   
(参) 「保管場所」を定義した主旨が理解できない
  →(ア)ドキュメントは会社のものであり、局所化してみんなで見れる様にするべきである
   
(発) 「共有」においた文書の原本は消すべきである。再利用の恐れがある。
  →(参)実際には改ざん性のあるドキュメントは利便性がよい。実態に合っていない。
   
(ア) 細則として「プロシージャ」的な規程になっている。ネットワーク環境によっては守られるとは限らない。
「プロシージャ」と「スタンダード」を分けるべきかという点はある。
「プロシージャ」とすると「文書取扱規程」が上位規定で、「文書取扱規程」を適用することがある。
「電子文書」は「再利用性」を考慮する必要があるというところが違う。
今回は「文書取扱規程」を変えないという前提であったが、「電子文書取扱規程」の制定を機会に改正を検討しても良いのではないか。
   
(参) ファイルサーバーの管理規定について疑問。サーバが複数あり、ドメインが違う等電子文書管理規定に盛り込みたくないが、ネットワークインフラが多いに関係する。
   
(参) ここまでやると、読者がわからなくなる
   
(ア) 「システム管理者向け」、「利用者向け」に分けるべき。
「電子文書管理規定」は一般の人の理解の範囲内に留めることが大事。
   
(参) 実際の運用のイメージが湧かない。
   
(参) ノーツの添付を認めているか。
  →(発)添付文書は、PDF化を義務付けている。
   
(参) 共有して文書を作る場合ノーツのDBに貼り付けもPDF化しなければならないのか。
  →(発)そうです。
   
(参) ノーツのDB上は、保管庫なのか。
  →(発)基本的にはそうだ。
   
(参) 違う部署間で「機密レベル」が違ってくる。機密レべルを全社レベルで定義する必要あり。
   例えば、「日報」→これは出してはマズイ
             →掲示板に貼ろう
機密レベルの判断が難しい。どこの企業も試行錯誤の状況。
   
(ア) 規模・業態により実現度が違う。Clientのレベルにより違えるべき。
例えば、中国拠点。(本社レベルのドキュメント公開にリスクが伴う)
   
(参) 原本性、機密性というが、データの再利用という点では、文書管理システムで電文書の再利用ができるという点はどうするのか。
   
(発) チッェクアウト、チッェクインを定義し、しっかり管理することが必要。何の目でだれがいつ使ったかを明らかにする。
   
(参) チェックアウトは申請するということか?
   
(発) オーナーに公開権を与える。ある一定以上の公開に際しては、上司の承認を得るとか。
   
(ア) モラルだけではだめ、ルールだけではダメ、融合が必要
   
(参) 一定期間で閲覧ができなくなる仕組み(ツール)が欲しい。
記事を販売している仕事をしている。ドキュメントに賞味期限をつけたい。
   
(参) どこまで規定しなければならないのか?もう少しスリムにした方がよいと感じました。システム別に作成すべき。
   
(発) 皆さんの会社なりのものがあると思われる。本細則は当社の運用を前提に作成、今後も皆さんの意見を盛り込んで完成させたい。。当分科会の成果として作成したい。
   
(ア) 今回は「文書管理規定」がメインでしたが、他の「社内規定」との関連性を明確化、リファレンスも明らかにすることが大事である。