第一回 情報モラル・セキュリティ分科会 議事録

第一回(2002/12/12)情報モラル・セキュリティ分科会 議事録
プレゼンター: キヤノン販売株式会社
ソフト&サービス商品企画本部ソフトウェア商品企画部
鎌田巨樹氏
講演内容: 「情報セキュリティにおける内部セキュリティの重要性 」
セキュリティプラットフォームのご紹介
資料: ・情報セキュリティにおける内部セキュリティの重要性(非公開)
・SePセキュリティプラットフォーム資料(非公開)
 参考>> http://cweb.canon.jp/Product/appli/sep/index-j.html
全体ディスカッション
 
モデレータ: パイオニア 連結情報戦略部
鶴田一男氏

参加したシステム管理者の方々に、本日テーマとなっている、デジタル文書の取
り扱いについての取り組みや悩みについて発表してもらったところ、共通の悩み
は以下の3点に絞られる。
技術的な対策はどこまで行えばよいか?
 
セキュリティのために、エンドユーザの作業効率をどの程度犠牲にするか?
費用対効果は?
ツールが売上アップにつながるわけではないので、予算面で上層部の承認が取りづらい
自動化してエンドユーザに見えないのはよいことか?
セキュリティ啓発のトレーニングはどうすればよいか?
 
経営者のモラルをあげるのが難しい
PCやセキュリティに関心がない一般の社員の意識をどうやって高めるのか
セキュリティポリシーを各社員にどうやって伝え、定着化させるのか
個人のPCを会社が管理することはできないので、個人のモラルをあげる必要がある
守るべき情報の特定はどうすればよいか?
 
何が機密かがわからない
ドキュメントは本来どのようなフローで守られるものなのかの決定が難しい
メールがどこに出て行っているのかが把握できず困っている。


これらの対策のために、以下のような提案があった。
会社として、セキュリティポリシーを重視していることを主張する。
 
「個人情報を漏洩してはいけない」というメッセージを起動時に表示
WEBでの「個人情報ポリシー」を目立つところに表示
経営者のリスクに対する意識を高め、トップダウンで実施する。
 
トップには常に危機感を与える。(情報を漏らした役員に200億円請求されたということもある)
外部の有名な方の講演をきいてもらう
社員の教育をする、管理職レベルの人にリスクのケーススタディを行い、取締役は取締役会でみてもらい、どう広報するか(アカウンタビリティ)、どう損失計上するかを、擬似的にシュミレーションをしてもらう。
教育は、個人個人に、実例をもって知らしめる。
 
内部犯罪のほうが多い。会社のシステムとして、インターネットの監視、メールログの取得を行っていることをアナウンスする
中古PCを販売しようとしたときドライブの中身は消去されているか
ガードはガード、技術は技術で、システムを整備する。
 
管理規定や取扱規定、社則の見直し・HDやPCの廃棄は業者一括で依頼する
ファイアウオールの口なども一つにする予定
標準以外のソフトのバージョンをいれるとわかるような仕組みをつくる
個人をつきとめて公表できるようなシステムを作る。たとえば、パートナーや協力会社などグループで1枚のカードだと、グループに対しての犯人になり、よくない
予算をとるには、費用対損失を明確に計算する
 
リスク評価(ISM)を計算する。(ただし、日本ではまだどれだけ犯罪があったかの履歴が不十分)
個人情報については、1件もれるとどれぐらいという判例がある・日本の経営者は同業他社と同じぐらいを目安にする。
IT総予算内でのセキュリティ予算は、アメリカでは約10%、日本では3.3%といわれている。
情報リスクマネジメントのスプレッドシートを展開していくと、このシステムの最大損失額が1億円だとわかる、自分の会社用のスプレッドシートをつくる。自分の会社でシステムが複数あると、複数分のシートを作成する。
株主代表訴訟でいくら考えたらよいのか、などいろいろな手がある。


そもそもなぜこのような事態になったのか?

「セキュリティを高くすると不便になるから」である。たとえば、業態では、銀行はルールを守るが、IT業界はルールより効率性を重視。このように仕事優先のところは管理ができていないことが多い。
PCについてはインターネットを使えるようになったが、ルールがなかったのが悪い。
「永久、期限付き」など、セキュリティポリシーの例外規定をつくり、「ルールにする」ことが重要である。セキュリティポリシーをつくって、2年ぐらいかけて定着化をしていく

「ここまでやられたらどうしようもないよね」と世間が納得するのは、どんなレベルか?
例として、重要なデータを扱う場合の社内システムを紹介する。
○個人ではデータ改ざんができないように、平社員から部長まですべての方が承認しないと変更できないようなものにしておく。これでやられたら、どうしようもない。
×普通にガードがかかっていて、支店長だったらなんでもひとりでできてしまうというレベルだったら問題がある。