第二回 Linux分科会 議事録

第二回(2003/3/20)Linux分科会 議事録
クライアント役: HOYA株式会社 柿崎氏
コンサルタント役: ターボリナックス株式会社  山崎氏
講演内容: 「現在の社内システムをLinuxに置き換えられるのか?」
〜コストシミュレーション:Windowsクライアントを Linuxクライアントへ〜

第1回で登場した「ABCDエンジニアリング」が、WindowsクライアントをLinuxクライアントへ置き換える検討を開始しました。
OS、Officeからグループウエア等、現在のOA系WindowsクライアントをLinuxに置き換えた場合のコストシミュレーションを具体的なアプリケーション名とともに発表しました。
後半は、初期投資のみならず「維持費」にもフォーカスをあて、 Linuxクライアントの投資効果について皆様とディスカッションをしました。
資料: 参考資料(PDF 803KB)Linux導入に関する質問を受けて
参考資料(PDF 994MB)Linuxの概要とTurboLinuxの強み
参考資料(PDF43.6MB)Linux導入に関する質問
価格比較シミュレーション
  Win9xのPCを100台、Windows2000のPCにリプレースするケースを想定。
この際、プレインストールOSはWindowsXPであり、WindowsXPからWindows2000へのアップグレード作業が発生するものとする。
(資料は参加者のみ配布)
紹介されたアプリケーション
kickstart: CDやNFSによりインストールを自動化するソフト
PowerCockpit: OS/アプリ環境のデュプリケートソフト
StarSuite: MS Office相当
Sophos: AntiVirusソフト
KIVIO: フローチャート作成プログラム(VISIO相当)
KOnCD: CD-R作成ソフト
Wiz: グループウェア
Tarantella: ThikClient用サーバ
Goglobal:  
Snore: IDSソフト
Tripwire: ファイル改竄検知ソフト
Linux技術者の人月
 現在では、Windows技術者とほぼ同じ水準となっている
質疑応答
 
MS Accessに相当するものはないのか?
  →ありません
WindowsOSは新規購入価格が比較対象となっているが、プリインストールを対象とすべきではないか?
  →プリインストールのOSをXPと想定しているため、この様な比較となった。
Postgres/MySQL共にWindows版が存在する。Oracleと比較するならLinux版Oracleを対象とすべき。
StarSuiteのMS Officeとの互換性はどの程度か
  →ほぼ互換が取れているが、リスト選択、スプレッドシートのグラフ等、細部で相違がある。フォントについては、Websiteでテンプレートをダウンロードするか、TLPフォントに変更すれば文字化けが直る。
→細部でも異なると、社員への教育が発生してしまう。
→操作性は問題ないが、過去の遺産の引継ぎに手間がかかる。
Windows版Atokの辞書を、Linux版Atok Xに引き継げるか
  →分からない。おそらく引き継げるだろう
KIVIOにVisioの様なステンシルはないの
  →あるけれども基本的なもののみ。
最近はIEを想定したWebサイトが多数あるため、Mozillaでは不十分
AntiVirusのClient-Serverシステム構築にかかるコストは?
  コストははWindows版と変わらない。
自己紹介及びLinuxクライアントについての意見発表
  参加者名、発表内容につきましては、非公開とさせて頂きます。
事務局の感想としては、今回のテーマに関し既に研究されている方が多く具体的な事例発表が多く勉強になりました。
Linuxクライアントについては懐疑的な意見が主流。
その主な理由については、まとめ(最下部)に記載。
ABCDエンジニアリング山田氏との質疑応答
→詳細はPowerPoint資料をご参照ください。
 
インストール作業
  PowerCockpit2.0 disk丸ごとバックアップし、multicastで配信する。
Deviceの差異を吸収してくれるのがメリット。
バージョンアップ、パッチ適用
  Qloc type-x
差分データを自動適用可能。配布サーバと同期を取っており、
Qlocサーバにログインすると、自動的にダウンロードが始まる。
OSの寿命
  各ディストリビュータに依存する。
(Turboでは3世代サポート。5年サポートを検討中)
コスト
  商用アプリのバージョンアップは、優待販売で対応するケースも。
アプリの優待販売等で対応する。無償で上げるケースが多い。
バックエンドのDBのレプリカを取り、アクセス用サーバとして
ライセンス料を抑える使い方もある。
→特殊記号は引き継がれるか
→外字記号でなければ大丈夫
→簡単にユーザがアップグレードできるかどうかが大事なのでは?
→アップグレードインストールを用意している。
基本的にはアプリに依存する。
→サポートはアウトソースできるか。
→サポートパックを用意している
その他
  →trantella経由のアクセスのsource addressはサーバのIPになる。
動画などは向かない
→Windowの共有フォルダを参照できるか
→できない
クライアント間接続がLinuxの弱点
ブロードキャストを使っていないので、近隣端末を捕まえられない。
まとめ
  Linuxは、サーバ用途では利用したい。
クライアントとしては、様子見、あるいは導入困難と判断されている。
 
<主な理由>
機能的にはWindowsと遜色ないレベルに達していると言える。
が、MS-Officeとの互換性が完全ではなく、取引先とのファイル交換を考慮すると、自社の都合だけでは移行できない。
IEベースで開発したのWebアプリケーションがNSでは使えない。
スキルの低いユーザを考慮すると、教育やサポートの工数がかかるのも問題点。