第二回オープンソース分科会(東京) 議事録

第二回オープンソース分科会 議事録
日時: 2003/12/5(金) 15:00〜18:00
会場: クオリティ(株)6F会議室
テーマ: 「StarSuite全社導入事例紹介」
〜 StarSuite全社導入事例紹介 さぁ、MS Officeをリプレイスしましょう! 〜
講師:
サン・マイクロシステムズ株式会社 ソフトウェアソリューション事業本部 StarSuite営業部 三原 茂 氏
ソフトウェアOEM営業本部 StarSuiteテクニカルスペシャリスト 笹沼 満 氏
司会・進行: オープンソース分科会座長 HOYA株式会社 柿崎敦司 氏
        (HOYA株式会社 エレクトロニクス部門 管理部 情報システム管理室 ITグループ)
※当分科会の運営方針により、個人/会社名を特定できる発言、および発表者から公開の許可を得られなかった内容は
    議事録より削除されています。あらかじめご了承ください。
 
プレゼンテーション (発表内容は資料をご参照ください)
  質疑応答
 
MS Officeとの互換性について
Q: MS Officeの過去のバージョンとの互換性は?
A: Office97以降のファイルの読み書きが可能。
   
Q: 一太郎との互換性は?
A: Ver8〜Ver11までのファイルの読み込みのみ対応。
   
Access/Visioの代替ツールについて
Q: Accessに変わるようなツールはあるのか?
A: AdabasというDBの簡易版を実装。同時ユーザー3人、データ容量100MBという制限あり。
他のDBのフロントエンドとして利用できる。推奨DBはODBC/JDBC対応のDB。
   
Q: Adabasはフォーム機能を持っているか?
A: 持っていない。
   
Q: StarSuite Calc(表計算ソフト)からのデータは、Adabasにインポートは可能か?
A: 不可。CSVの取り込みも制限があり。
   
Q: Visio相当のツールをバンドルする予定はないか?
A: StarSuiteではないが、OpenOffice.org(StarSuiteのオープンソース版)の
コミュニティで取り組んでいる。将来的にはStarSuiteにフィードバックされるだろう。
   
セキュリティ対策について
Q: パッチの提供の頻度について
A: 1年に3〜4回の頻度。パッチをまとめてアップデート版の形で提供している。
実績として前バージョンのVer6.0は1年で3回無償提供。アップデートの内容は、バグフィックスと機能強化。
   
Q: StarSuiteのPDF出力のセキュリティ機能の設定可能か?
A: PDF出力機能のみ。PDFのVersionは1.4。
   
ライセンスおよびコストについて
Q: StarSuiteのライセンス形態は?
A: ユーザーアカウント制を取っている。
   
Q: ボリュームライセンスはあるか?
A: ある。目安として10,000ライセンスで1本あたり3750円。サポートを買うと、アップグレード権が付いてくる。
   
Q: MSのセレクトの様なライセンス形態はあるか?
A: ない。しかし、MSのセレクトライセンスよりもStarSuite新規購入の方が安いと思う。
   
Q: 同時使用ライセンスでの利用形態を認めてほしいのだが。
A: 未対応。ライセンスは紳士協定と考えている。シリアルナンバーも無い。
   
  ※同時使用ライセンス:
クライアントライセンスを、インストールしたクライアント数ではなく、同時に使用するクライアント数で
カウントするライセンス形態。MS Officeも1995年当時は同時使用を認めており、MS Office普及に一役買った。
広げるのには効果的だと思うので、ぜひ検討していただきたい。
   
その他
Q: MAC版あるか?
A: StarSuiteにはないが、NeoOffice/J1.0.3(OpenOfficeのJava版)が動作する。但し、X-Windowが必要。
   
Q: SUNはStarSuiteを継続していくのか?
A: 継続しない要素は今のところ全く無い。OpenOffice.orgのソースをどんどん取り入れて発展させていく。
   
ディスカッション
  ★乗換えに関して躊躇している点
 
  ・MS Officeとの互換性
・Accessなどのデーターベースがないのがネック
・社内を説得するのが問題
   
  ★StarSuiteが苦手とするところ (オープンにお話いただきました)
 
  ・フォント- MSフォント以外のフォントを搭載しているが、互換性については問題ない。
・Impress(PowerPoint相当) - アニメーションに違いがある。図形に付ける影が数種類しかない。
 エクスポートの時、フォントがSutarSuiteのフォントに置き換えられてしまう。
・Writer(Word相当) -  文字数や行数が指定されたWord文書を読み込むと、枠がずれたりすることがある。
 表の入れ子ができない。
・Calc(Excel相当) - Excelでは65535行までサポートしているが、StarSuiteは32000行まで。
・操作の違い - 印刷のオペレーションが違う。書式ーたて横、書式ーレイアウト等。
・このような非互換の部分は残っているが、ファイルが消える/壊れるといった重度の問題は発生しない。
・現在できないもの マクロ→将来的にはツールを用意する予定とのこと。
   
  ★MS-Officeをリプレイスしていくには?
 
  ・部署やフロアーに、詳しい人がいれば広まりやすい。
 ユーザに近い人に導入の相談をし、味方にしてしまうと良い。ユーザからの抵抗も薄れる。
・移行のタイミングは、MS Officeのバージョンアップ時などよいのでは?
・MS Officeへのこだわりは慣れの問題である。変化がいやなだけ。
・フォントがずれるのは、なんとかなる。
・必要な人はAccessを使えばよい。
・MS Office UIモードのようなウィザードがあれば良いのではないか。
・過去の遺産(文書)を整理し、必要なものとそうでない物をきっちり分ける。
 不要な物は廃棄し、必要なものは修正する。→PDF化して生かす。
・MS Office文書修正のハードルとなるものは?
 →マクロと、MS Office依存のアプリ持っているところはリプレイスに苦労している。
    マクロの書き換えは、想像するほど困難ではないと思われるが。
   
  ★まとめ
 
  MSのライセンス形態変更に伴う費用負担の増加、セキュリティホールの問題等で、
脱MSを考える企業が増えているようです。
本日ご参加いただいた皆様の中にも、サーバのみLinuxという企業だけでなく、クライアントにも
オープンソース導入を検討中で、実際に部署単位等で使ってみているという企業が複数社ありました。