第一回オープンソース分科会(東京) 議事録

第一回オープンソース分科会(東京) 議事録
日時: 2003/10/2(木) 15:00〜18:00
会場: クオリティ(株)6F会議室
テーマ: 「オープンソース・ソフトのサポートについて」
講師: 株式会社SRA ネットワーク&サービスカンパニー オープンソースソリューション部 部長 林 香 氏
発表内容: 〜Linux、Tomcat、PostgreSQLなどオープンソースソフトの利用とそのサポートサービスについて〜
司会・進行: オープンソース分科会座長 HOYA株式会社 柿崎敦司 氏
  (HOYA株式会社 エレクトロニクス部門 管理部 情報システム管理室 ITグループ)
※当分科会の運営方針により、個人/会社名を特定できる発言、および発表者から公開の許可を得られなかった内容は
   議事録より削除されています。あらかじめご了承ください。
 
プレゼンテーション(発表内容は資料をご参照ください)
  オープンソースソフトウェアは、リチャードストールマンの著書『伽藍とバザール』が出版される以前は
フリーソフトウェアと呼ばれていた。ストールマンはソフトウェアは社会の基盤であり、水道・電気・ガスなどと
同じ扱いをするべきと主張。
"フリー"の意味は、自由に改変、自由に配布。Linuxが代表的なソフトウェア。
質疑応答
 
Q: BSDライセンスは本当に何をやってもいいのか?
A: ソフトウェアの利用と再配布は自由。参考までに他のライセンス体系GPLを採用しているLinuxはソースを公開
しなければならない。サポートは全く無い。商用のソフトを購入すればサポートは受けることができる。
   
Q: Linuxのクライアントソフトとして、マイクロソフトのAccessに該当する簡易DBは無いのだろうか?
フロントエンドを改良して、PostgreSQLで作れないだろうか?
A: PostgreSQLはSQLの処理に強い。AccessはExcelの延長線上の様なものなので、
それに近いものが作れるのではないだろうか?
   
Q: DB(PostgreSQL)から帳票をどの様に出力しているのか?現在は一旦DBからExcelファイルに変換してから出力。
A: 帳票システムを利用して、出力する方法が一般的。
   
Q: OSSは自由に配布、販売が出来るというならば、多少変更しただけの亜流が世に出回ることにならないか?
A: 亜流ソフトの氾濫は、GPLで守られている。GPLはベストプラクティクスが残る事を目指している。
罰則規定は無い。PlaystationLinuxの様に、コミュニティが訴えられることはある。
   
Q: ソフトウェアとPowerUserとソフトウェアベンダー、など組み合わせによりサポートサービスも
難しくなっているのではないか?
A: 本当にサポートが必要とされるユーザーとは、OSのバージョンアップが出来ないなどの初級ユーザー。
サポートの内容も検索サービスに近い。
   
Q: サポートの価格体系については?
A: サポートレベルごとに価格体系分けを行っている。
   
ディスカッション
 
オープンソースソフトウェア(以下=OSS)の導入への課題
  ・OSSの導入にはサポートが一番の問題。
・業務経験者が少ない。
・技術者教育のプログラムはあるのか。
・オープンソース関係の技術的地位の認知が少ない。
・OSSはただで入手したものなので、サポート費用は出したくないという意識。
・Windowsはやっぱり楽。取り扱っているベンダーも多く技術者も多い。
  Windows系のサポートは価格競争力がある。
  社内の管理に関しても業務の引継ぎの心配が少ないこともあり総じて安心感がある。
   
オープンソースソフトウェア(OSS)の現状について
  ・Linuxは、SunなどのUnixのマーケットに食い込んでいる。
  Windowsのマーケットシェアは維持されている。
・導入は安く、維持管理は高くなる。金額的にはWindowsとあまり差がないのかも。
・OSSのアプリケーションを使う際に、サポートの依頼を何処にすればよいかが分かっていれば安心できる。
・自社の業務アプリを構築した経験から、OSSを利用したシステムは、SIベンダーに頼らないと成り立たない。
  業務アプリに関しては、例えばWindowsOSとSQLサーバーと業務アプリは連携が取れているが、
  Linux系の業務アプリは、特に基幹系のシステムは期待はしているがまだまだ少ない。
・組み合わせについての質問が多い。(動くかどうかなど)
  Windowsは「使えない」で終わり。オープンソースは「何とかできる」ので、逆に大変。
・現在、TurboLinux、RedHatとも、オープンソフト開発、技術者のトレーニングメニューがメイン。
  サポートメニューは売れていない。
   
  今後
  ・国や自治体などのサービスシステムをOSSにて作ろうとする動きがある。
  それを足がかりとして各企業においても業務アプリが普及することを期待。
・Unixユーザ(減)→Linuxへ乗換え(増)
・Windowsユーザ→Linuxへ乗換えはあまりないだろう。
   
  ★OSSの導入の一例
  ファイルサーバー(samba)
メールサーバー(qmail)
Webサーバー(apache)
DataBaseサーバー(PostgreSQL)
オープンソースのグループウェア
※基幹系生産管理のシステムをPHP+PostgreSQLで構築の予定(AS/400のERPではうまくいかなかった為)