第三回 ネットワーク管理分科会 議事録

第三回ネットワーク管理分科会 議事録
日時:
会場:
2003/6/27(金) 15:00〜18:00
都市センターホテル
テーマ: 「WANの最新技術動向と構築事例」
講師:
発表内容:
富士通(株) システムサポート本部 ネットワークサポート統括部 IDCシステム部 担当課長 藤森 孝 氏
幾つかのWAN構築事例の発表と、今必要なWAN構築におけるノウハウのご提供
司会・進行: ネットワーク管理分科会 座長 (株) リコー 宮腰寿之氏
※以下、当分科会の運営方針により、個人/会社名を特定できる発言の公開は控えさせていただいております。ご了承ください。
 
■回線の二重化
 
  • ネットワークをIP-VPN変更。回線の二重化を考えたが、コスト面を考慮して見送った。
  • 中小企業が回線の二重化に踏み切るのは難しいのでは?
  • InternetVPNが安価だが、信頼性の問題が付きまとう。INSバックアップ等が選択肢となるのでは。
  • →割と高速でバックアップができる。INSの時とはかなり差がある。だが、若干値段がかかる。
  • 専用線タイプは、回線の障害に陥るケースがないのが好ましい。
  • 名鉄脱線事故によるKDDI電話線切断の被害を被ったことがある。
  • バックアップはキャリアが責任を持ってやるべきではと思っている。
    →コアネットは冗長性を組んでいるのが一般的。
    支線系は、ハード障害/事故などを考えると、ユーザが考慮しなくてはならないのでは。
    →アクセス回線が切れるのは、1年に1回あるかないかの出来事ではあるが、
    保険と思っている。名鉄事故時にもバックアップがあって助かった。切れると復旧にまる1日かかってしまう。
■支線系のADSL利用
 
  • 2001年IP-VPNを導入。支線ADSLにしたかったが1箇所つながらなかった。
  • 支線にアッカを利用。エリアであるかは、回線を引いてみないとわからない。
  • ADSLは距離の問題がある。フレッツモアなどノイズに強いものもあるが、品質の保証はされていない。
  • 2002年10月に、100拠点にADSL支線のIP-VPNを導入
  • メタル回線が引けないために、つながらない拠点があった。
    →ADSLは支線には採用しなかった。導入時に利用できても、環境の変化で利用できなくなる場合もある。
  • BフレッツとADSLの価格差がなくなって来た。そろそろ次期ではないか。
  • →工事に3ヶ月から6ヶ月かかることがある。
■IP-VPNと広域イーサネット
 
  • Layer3(L3)かLayer2(L2)か。IPだけでいいか。バックアップをどうするか?
  • Routingプロトコルは? 等が検討項目となる。
  • L2の方が伸びるのではと思っていたが、あまり伸びて来ない。
  • 音声通信はQOSがセットになる。L3でプライオリティ付けのため選択するケースが多い。
  • 帯域制御が自由に組めるL2サービスが出てきている。
  • もう1つのサービスとして帯域制御が提供されるというL3の魅力が薄れている。
  • 今度IP-VPNから広域イーサネットに切り替える。
  • 同じ帯域なら広域イーサネットが安い。使用するルータも、広域イーサネット用の方がかなり安価である。
  • 10/100Mになると広域イーサネットが安い。

  • →メガデータネッツ等、IP-VPNでも安いサービスがある。
    全部IP化しているのであれば、組み合わせた方が安いのではないだろうか。
■事前アンケート結果(回答数19名)
 
  • 現在ご使用の回線サービスは?  →約半数がIP-VPNを使用中です
  • サービスの変更を考えていますか?  →「いる」「いない」がそれぞれ半数でした
  • ネットワーク構築・運用をアウトソーシングしていますか?  →構築・運用ともにアウトソーシングが過半数でした
■音声のデジタル化
 
  • 回線上を流れる音声が、デジタルデータ化されるようになった。
  • 従来音声は総務の物だった。管轄が情シスに移管する必要が出てきたが、既得権を譲らない。
    →電話が情シスの管轄となり、電話機の管理までやっている。
  • IPセントレックスを導入したいが、利用可能な年数が読めない。
  • 交換機のリプレースを自前でやるリスクを取れない。
    →交換機の老朽化がタイミングとなるだろう。
    →交換機を買い換えるのと、IPセントレックスにするのとどちらが良いだろうか?
    →自前で持っていると、償却しなければならない。10年使いつづけられるようでなければ買えないだろう。
  • 音声のデジタル化は、上層部にも受けが良い。1年くらい掛けてじっくりやっていきたい。
  • 交換機のリプレースコストの見積もりは難しい。
  • 東京ガスはできていた。(東京ガスはIP電話導入の先駆け。フュージョンのサービスを利用)
  • VoIPは初期投資が無かった。LAN側も変える。品質保証ができないから。

  • 交換機の老朽化のタイミングとなるだろう。
  • 代表番号は維持したい。フュージョンのサービスでは可能。電話とデータを別々にすればよい。

  • 電話機そのものもIPの端末にするのか?

  • ビルの中の配線をLANで統一したい。移動しやすく、価格も下がる。

  • →電話機1台数千円(ユニデン)原価はそこまで安くない。SHIPプロトコルを利用すれば接続も軽くなる。
  • 通常の電話に比べてトラブル率が違うのではないか。導入には躊躇する。

  • 全てIP電話にするのは危険。更に品質はまだ携帯電話並。トラブル時を想定し、外線を残した方が良い。
■まとめ プレゼンテーション
富士通藤森様に、豊富な事例をWAN構築のポイントを発表していただきました。
WAN構築においては、回線/サービスの動向や企業の環境/要件等によってパターン化が難しく、
コンサルティングが占める割合が非常に多いのではないかと推察されます。

ディスカッション
皆さん実担当者ということもあり、障害時の対応(回線の二重化等)が焦点になることが多かったようです。
また、IP電話については黎明期ゆえのハードルがまだまだ多いように感じました。